【保存版】パレットへの効率的な積み方ガイド
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どやさ、どやさ〜!
物流の現場で「できるヤツ」に見られるためのT11パレット積み付けテクをまとめてみてん。
前回の「パレットの種類と選び方編」に続いて、今回は視点を現場サイドにぐぐっと寄せて、より実践的な積み付け方法や安全ポイント、積載パターンまでぜーんぶ紹介するで!現場の作業長や班長に指示された時に、スッと動けるようになれたら仕事のできる「シゴデキ」確定!!
ほな、行くで~。
1. パレット作業における基本用語
●パレタイズ(Palletizing)
荷物をパレットに積み付ける作業のこと。効率的なパレタイズは、物流全体の生産性を高めるで。
●積み付けパターン
荷物をパレット上にどのように積むかの具体的な方法(例:ブロック積み、交互積みなど)にフォーカスする言い方。積載の構造(積みやすさ、安定性、取り回しやすさ等)の文脈で使用されることが多い。
●パレットパターン
現場レベルでの会話や実務レベルでは積み付けパターンとほぼ同義として使われるが、最近では全体配置のパターン化や標準化された意味として使われ、物流設計や3Dシミュレーション、ロボット搬送などの場面で使われることが多くなってきた印象や。
●デパレタイズ(Depalletizing)
積み上げられた荷物をパレットから取り出す作業。パレタイズの逆やね。
●オーバーハング
荷物がパレットからはみ出している状態。荷崩れや事故の原因となるため、避けるべき状態や。
2. 主な荷崩れの原因4つ
パレット積みの失敗は主に以下の4つが原因とされるで。
①フォークリフトでの急発進・急停止やトラック移動時の振動などによって荷崩れが発生する
②重い荷物の下段に軽い荷物を配置してしまい、上からの荷重や重力によって荷物が潰される
③オーバーハングによるはみだしで荷潰れが起こる
④荷物間に隙間が存在したり、荷締めが甘く輸送中の振動によって荷物が移動する
3.荷崩れ防止の7大対策
① 重量バランスの最適化・・・重い荷物は下、軽い荷物は上!意外と守られてへん。。。
② オーバーハングの徹底禁止・・・パレットからはみ出さんようにキッチリ納める!
③ すき間の最小化・・・横揺れや振動で荷物がズレないように段ボールと段ボールの間は詰める!
④ 荷物の向きと積み付けパターンの工夫・・・荷物の形状と輸送条件に応じてパターンを選ぶ
⑤ 荷締め資材の活用・・・ストレッチフィルムやPPバンドなどを使って固縛する
⑥ 滑り止め資材を使う・・・滑り止めシートを挟む or 滑り止めパレット等を使うと◎
⑦ トラックや倉庫内の運搬スピード調整・・・急ブレーキ、急旋回、急発進、全部アカン!
4. JISにおける積み付けパターン
JIS Z 0651:2002「パレットシステム設計基準」では、以下の5つの積み付けパターンが規定されているから、基本の5パターンを、名称、特徴、メリット、デメリットとともに紹介していくで。
①ブロック積み
特徴:荷物を同じ方向に整列させて積み上げる最も基本的な方法。「平積み」と呼ばれることもある。横向きの力に弱い
適用場面:形状が整った同一商品の大量積み付け
②交互列積み
特徴:段ごとに荷物の向きを90度変更して積み上げる方法。棒積み防止に設計された為、横向きの力に強いが荷物の形状は限定的。
適用場面:長方形の荷物で、全体が正方形に近い配置が可能な場合
③レンガ積み
特徴:1段内で荷物の向きを変え、段ごとに180度回転させる方法。すべての荷物が外側を向くため検品作業がしやすい
適用場面:真上からみると正方形に近くなるため、カゴ車への積み込みにもよく見られる。ハンディも読みやすい
④ピンホール積み(風車形)
特徴:荷物を風車状に配置し、中央に空間を作る方法だが荷物の形状は限定的
適用場面:温度管理が必要な商品の輸送・保管。
卍形にも似てるから、現場では「マジ、卍?」ってネタにされがち(どうでも良い)
⑤スプリット積み
特徴:レンガ積みの応用で、荷物の形状により隙間(スプリット)を設ける方法。四隅の角を揃えることを意識して隙間は内側にする。
適用場面:形状が異なる複数の荷物を混載する場合
5.〇回し〇段積みの意味は?
物流現場で積み付けを行う際、「6回し4段で積付けて」とか「3回し5段積みで」等のような指示出しがあるんやけど、これは、「パレットに何個の商品を1段に並べるか(=回し)と、その段を何段重ねるか(=段積み)を表す数値を指すで。「回し」という言葉の響きから、レンガ積みやピンホール積みのような積み方をイメージする方もいるかも知れへんけど、積み方に関してはこの言い方の指示には入っていないから、別途積み付けパターンは上記のパターンを確認する必要があるで。
例:「6回し4段積み」=「1段に6個 × 4段」=合計24個/PL
「3回し5段積み」=「1段に3個 × 5段」=合計15個/PL
ちなみに、JIS規格ではパレタイズド貨物の全高は2200mm以下と規定されてるんやけど、「できる限り高く積む」ことを目的とした規格ではなく、物流システム全体の効率性、安全性、互換性を総合的に考慮した「合理的な上限値」として設定されてるねん。例えば、トラック荷台や海上コンテナの高さ、物流倉庫の天井高、フォークリフトの標準マスト高、輸送時の安定性などを考慮した数値で、実際の現場では、この上限値よりもかなり低い高さで積み付けることが一般的や。全高2200mmって読んだ時に「誰が届くねん!」ってツッコんだあなたは相当正しくて、2200mmという制限は「理論上の最大値」であり、「推奨される実用高」ではないことを理解してや☆
6.労働安全衛生法で定められる作業重量
労働基準法および労働安全衛生法によって、人力による重量物の取り扱いには明確な制限が設けられてるから、もし、現場で対応できてなかったとしたら、作業者さんが体壊してもーたり、現場への定着率が下がってもーたりするリスクが考えられるから、早めに対応することをおススメするわ。以下に一覧表で示しておくで。
見てみると、18歳以上の男性については明確な数値がない。体重の40%以下と言われても作業者さんの体格や体重も人それぞれやから、実運用としては、18歳以上の女性の数値(断続作業=30kg未満/継続作業=20kg未満)に合わせておけば、男性にとっても体力的に働きやすい職場になるんじゃないかと思うで。職場によっては、そうも言ってられない職場もあると思うから厚生労働省の「人と重量物の運搬作業の基本」を参考までに挙げとく。ロボットアームやアシストスーツを導入する手もあるけど、導入コストもかかるし、全ての現場に当てはまる訳じゃないから、まずは基本動作を知ることも大切かな思てね。
上記以外にも特別な配慮が必要な場合として、妊娠中および産後1年の女性は重量物運搬は「完全に禁止」やし、男女関係なく、制限重量を超える場合は2人以上での作業を実施するよう定められてる。
7.まとめ
T11パレットへの適切な積み付けは、物流効率化と安全性確保の両面において極めて重要や。JIS規格に基づく各種積み付けパターンを理解し、荷物の特性に応じて最適な方法を選択することで、荷崩れリスクを最小化し、作業効率を向上させることができるで。また、労働安全衛生法で定められた重量制限を遵守することで、作業者の安全を確保し、労働災害を防止できるわ。物流業界における作業品質向上と安全確保のために、これらの知識を実践に活かして、継続的な改善に取り組んでもらえたら嬉しいなー。
参考文献
JIS Z 0651:2002 パレットシステム設計基準
厚生労働省「人や重量物の運搬作業の基本」
SGフィルダー「パレットの積み方の種類とは?」
souco「パレットの積み方7パターンを画像付きで解説」