ホイールシリンダーのオーバーホールをしました

先日、私の担当するとある国内一流タイヤメーカーの工場内で使用している
フォークリフトの特定自主検査を実施しました。

その際ブレーキのホイールシリンダーのオーバーホールも行いました。
ご存知の方も多いと思いますが、ホイールシリンダーは
ドラムブレーキ内に取り付けられている装置です。

ブレーキペダルを踏む力をマスタシリンダを介して
ブレーキフルードの油圧により作動し、
ブレーキシューをドラムに押し付けることで制動力を発生させます。

どんな車にとっても『止まる』という安全にかかわる重要な部分ですので、
今回のブログではホイールシリンダーの
オーバーホールについてお伝えしたいと思います。

まずは、主にこのフォークリフトを使用しているオペレーターの方に
使用状況や気になるところなど問診させていただきました。

「特に気になるところもなく快調に使えている」と
安心のひと言をいただきフォークリフトを預かりました。

次に実際に操作を行い、荷役や走行の各部の動作確認をしていると
ブレーキの効き方に左右差が出ていました。
現場から整備場までの走行ではそれほど感じることはなかったのですが、
強めに制動をかけるとブレーキのロックするタイミングに左右差が見られます。

早速、ブレーキを確認してみます。

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ブレーキライニングとドラムには異常な摩耗や
アタリの不良などは見当たりません。すき間もほぼ同じほどでした。

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次にバックプレートとブレーキシューのアタリ面、アンカーピンの状態を見てみます。
摩耗による段差や損傷もなく、作動も良好です。
特定自主検査の検査箇所でもあるのでしっかりと確認をします。

そして、ホイールシリンダーのブーツをめくって見てみると!

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劣化したグリースとダストの入り混じった凶悪なカタマリが!
ふき取ってみるとホイールシリンダーにサビも出ています。
これがブレーキの作動をさまたげていたのですね。
中のピストンを取り出す時も動きがかなりシブくなっていました。

サビがどのくらい浸食しているかが心配です。
ホイールシリンダーを研磨、清掃して状態を確認してみます。

 

サビは表面だけで浸食も深くありませんでした!
ピストンも清掃して、新しいカップ(ゴム製の部品です)に交換し
組み付けて作動を確認します。
ピストンが引っ掛かることもなくスムーズに動きました。

サビを取り除けてもホイールシリンダー内面が荒れて凹凸ができてしまったり、
ピストンの動きに違和感があるようでしたら
ホイールシリンダー一体の交換になってしまいます。

症状が悪化する前に対処ができて何よりでした。

その他の部品も清掃、点検をし組み付けをしてオーバーホールの完了です。

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ですが、ブレーキ系統の整備はまだまだです。
反対側も同様にオーバーホールをすることはもちろんのこと、
ブレーキフルードの交換とエアー抜き、
ブレーキシューとドラムのすき間調整などなど整備を行うところはたくさんあります。
今回は特定自主検査を実施していますので
各検査箇所についても点検を行います。

最後に実走テストをして制動力や効き具合を確認し微調整をして完了となります。
安全にそして安心してフォークリフトを使っていただくために
しっかりと点検、整備をさせていただき無事に納車できました。

みなさまもお使いのフォークリフトにどこか不具合を感じたり、
そろそろ特定自主検査の実施月でしたらぜひピーシーエスにご相談ください。
まずはしっかりと確認して修理や検査のご提案をさせていただきます。

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本日のブログは暖冬のおかげで
スタッドレスタイヤへの履き替え時期を迷っている
平塚出張所の久保田がお届けしました。