【必見】金属スクラップ規制条例で揚高3000mm以下のフォークリフトの需要増!金属スクラップ業界に訪れる変革とは?
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まいど!浪速のジャーナリストこと、”べーやん”です(自称)。
2024年4月に千葉県で施行された「金属スクラップヤード等規制条例」が、金属リサイクル業界に大きな影響を与えてるらしいねん。中でも特に注目されているのが、最大揚高3000mm以下のフォークリフトに対する需要の増加。「金属スクラップ条例」と「フォークリフト」って、一見、無関係に見えるけど、1件のお客様からのお問い合わせを深堀ってみたら、なんと業界の闇と変革が見えてきたっちゅーわけ。この記事では、そもそも「金属スクラップ等規制条例って何やねん」ってことから、「なんで千葉県で規制強化されてんの?」っていう疑問や背景、実際に条例に対応されたという優良事業者様の事例、そして業界や市場にもたらす変化について解説したいなと思てます!
条例対応に関して「どんなフォークリフトを使えばいいのか」「買い替え・レンタル・中古の選択肢は?」とお悩みの方に向けて、具体的な情報もご案内していくで。
1. 金属スクラップヤード等規制条例とは
この条例は、金属スクラップやプラスチック製品などの”再生資源を屋外に保管する事業者”に対して、千葉県が2024年4月に設けた規制やねん。対象はこれから新規参入しようとする事業者だけではなく、既存事業者も含めて、”特定再生資源屋外保管業”を生業とするには、許可が必要になってん。
2. 制定の背景と問題点
2.1 制定の背景
環境省の資料によると、条例制定の背景には、以下のような深刻な問題があったらしい:
①法的規制の限界: 従来の廃棄物処理法では再生資源物の不適正な取扱いがカバーされていなかった
②環境被害の深刻化: 騒音・悪臭・火災・油流出・水質汚濁等、生活環境保全上の深刻な支障が発生
③規制の抜け道: 「再生資源物(=有価物)」扱いとなることで、条例未施行自治体への流入が発生
④自動車盗難: 盗難自動車の解体の温床となりやすい状況
2.2 具体的な問題点
①環境汚染: 油を含む機器類の直置きによる土壌汚染、雨水とともに河川へ流出する水質汚濁
②火災リスク: 事業場全体の約8%で火災が発生
③騒音・振動: 金属破砕作業による近隣住民への騒音被害
④崩落危険: 高積みされたスクラップの崩落による安全上の問題
⑤不法行為: 盗難スクラップの保管や違法輸出
千葉県の調査では騒音・振動(78事業場)、油汚染(34事業場)、飛散・流出(33事業場)、悪臭(15事業場)、火災(27事業場)、高積による崩落(73事業場)等の生活環境被害が具体的に頻発していて、住民トラブルに発展してたっちゅーことや。わいも千葉県内を車で走ったりしてると、突如として巨大なスクラップヤードが出現してきて、一瞬、新興国へ迷い込んだような錯覚を覚えたことがあるで。
「ここは誰?わいはどこ?」そんな感じや。
3. 制定状況と各地への拡がり
千葉県が全国初でこの「金属スクラップ等規制条例」を施行したんやけど、千葉県がどれほど特異な状況に陥ってもーてたのかっちゅーことを図で見てみよ。こちらの図は、条例を施行するにあたって千葉県が調査した時の資料なので、令和3年(2021年現在)とやや古い資料にはなるんやけど、図示した通り、全国4割を占めるほど突出して多くて、地域住民との間でトラブルに発展してたんやな~。ちなみに※2024年6月24日の朝日新聞によると、345箇所から646箇所に数年の内に倍増していると報じてるで。
また、千葉県の規制強化によって、他県からは一部の違法業者の流入を懸念する声が上がっていて、近接する茨城県、埼玉県、群馬県を含め、愛知県、三重県などでも次々に施行が発表されてるし、県の決定を待たずに市町村が独自に条例を発表するなど、その影響は確実に拡がりを見せてるわ。(許可制ではなく届出制にするなど、自治体によって規制内容は異なります)
4.何故、千葉県に金属スクラップヤードが多いのか
ここまで読んでくれた人は、きっと同じ疑問を持つハズやねん。
「なんで千葉県にこんなにスクラップヤードが多いの?」って。
これには①京浜港における千葉港が持つ役割と、②中国の禁輸措置の影響があると考察できるから、本章では左記2点を深掘りしてみたい。
4.1京浜港における千葉港の持つ役割
A.港湾の特性:千葉港の立ち位置
①製鉄・化学・機械など重厚長大型の産業集積があり、貨物取扱量では全国トップクラス。
②中古車や金属スクラップの「輸出港」としても機能し、アジア・中東・アフリカなどへの輸出実績が豊富。
③東京湾内の港湾の中では土地が比較的広くコストが抑えやすい。その為スクラップヤードや輸出業者が集積しやすい。
B.首都圏の「背後地」としての機能
①千葉県は、東京・神奈川など都市圏から排出される廃車や金属資源を受け入れる集積地の役割を担ってる。
②首都圏に近接しつつ、地価・賃料が比較的安価なエリアがあることで、スクラップヤードが設置しやすい。
C.横浜・川崎・東京港との違い
①横浜港は、コンテナターミナルと日産やトヨタなどの完成車輸出が中心の港。
②川崎港は昔から石油化学コンビナート地帯で、大型工場や発電所が多いが、土地が飽和状態。
③東京港は、日本最大級の国際コンテナ港湾で輸出よりも消費地向けの輸入メイン。地価も高く景観条例など規制も強い。
4.2.中国のスクラップ禁輸措置との関係
A.中国の政策:固体廃棄物輸入禁止(2018〜)
①中国は2018年から固体廃棄物(特に廃プラスチック・非鉄金属スクラップなど)を段階的に禁輸。
②禁輸前は中国国内で行われていた廃プラや廃工業機器類の手解体や破砕等の作業が、端材の出る日本で行われるようになった。
③日本を含む先進国は中国以外の国(東南アジア、中東、アフリカなど)へ輸出先転換を迫られた
B.日本の金属スクラップ輸出先の変化
①中国の禁輸後、大量スクラップは多様な市場(パキスタン、バングラデシュ、フィリピン等)向けに再編。
②千葉港は新たな輸出相手国への積出港として活用され、スクラップ関連の需要がむしろ高まった。
C.結果:千葉県に集中
中国禁輸 → 新興国輸出の転換 → 千葉港の利用増加 → 周辺ヤード増加と、こういう訳やね。
6.フォークリフトが規制対象に
条例の基本情報、背景、千葉港の特性と中国の禁輸措置までを確認したところで、本題であるフォークリフトの需要とどう関係するのか?なんやけど、両者の関係性は、実は条例の中に明確に記載されてんのよね。
【規制対象】
特定再生資源屋外保管業:
屋外で金属またはプラスチック製の使用済製品や端材等を重機等を用いて保管・破砕・切断する事業
【重機等とは】
油圧ショベル、フォークリフト(最大揚高が3m超のもの)、クレーンなど。
つまり、高積みを可能とする揚高3000mm(3m)を超えるフォークリフトが規制の対象となってるけど、裏を返せば3000mm(3m)以下のフォークリフトは規制対象外ってことなので、業界での需要が高まってるという訳やね。
【規制の内容】
①許可制・・・各事業所は県知事の許可が必要(既存事業者も含む)。変更時も再許可が必要
②住民への周知・・・許可申請前に、事業場から半径約300 m以内の住民への説明会開催義務
③基準遵守・・・保管物の崩落や火災を防止するための保管方法の基準義務付け(※詳細はコチラ)
④現場責任者の設置・・・常駐する責任者設置の義務付け
7.高さ制限とフォークリフト選定への具体的影響
金属スクラップ等規制条例は、保管物の高さにも制限を設けてる!
第9条 第3項
金属スクラップ等の保管を行う場合においては、その高さが地盤面から3メートルを超えないように努めること。
このため、「高積みできるフォークリフト」はそもそも不要になるケースもあり、3m以下のモデルが“ちょうどいい”選択肢として再評価されてるねん。
とくに中古市場やレンタルでのニーズが高まってきてる。
8.設備投資と事業運営への影響
スクラップヤードの適正化には、ごっつコストがかかるらしいねん。
重機の買い替え、フェンス等の囲い、置き場の配置換え、それに伴うオペレーション変更、条例対応に必要な申請書類や審査費用等、見えずらいコストも発生するけど、自治体の補助金や金銭的インセンティブの制度はなく、費用はヤード運営者の負担となるらしい。2024年2月15日の日刊産業新聞によると、適正化にかかる費用は、一企業単位で数百万~数千万円になる見通しと報じてる。そのため、「新たに機械を導入するにしても、まずは費用対効果を見極めたい」と考える事業者が増えるのでは?と推測される。そうなると中古機の需要は高まってきそうよね。前述したとおり、千葉県の条例を受け、近隣する県でも3000mm以下のフォークリフト需要は、地域を超えて安定的に伸びていくんじゃないかと考えられる。
9.実例にみる条例対応:松下リサイクル様の機械入れ替え
千葉県内の「有限会社マツシタ」では、条例施行に伴い、それまで使用していた揚高3m超のフォークリフトを3m以下の機種に変更。行政との協議のうえ、条例の対象外となる仕様に切り替えることでヤード運営を継続する体制を整えられたそうや。こういった法規制にもすぐに対応する優良企業には、業界の発展をリードして欲しいし、今後こういう動きが更に拡がりを見せることを期待したいね。
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参考文献
・千葉県環境生活部ヤード・残土対策課
・千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例
・経済産業省 バーゼル条約附属書改正とバーゼル法・廃棄物処理法の施行について
・千葉港の現況と課題
・京浜三港の取組について
・中国政府による廃棄物 輸入規制後の中国の状況