スターターの交換をしました
先ごろ私の担当する工場内で立て続けに
フォークリフトのスターター不具合による修理が3件発生しました。
しかも全て症状が異なるという珍しい出来事でしたのでご紹介します。
一件目は『エンジンを始動するときに金属のこすれる嫌な音がたまにする』ので
見てほしいと依頼を受けました。
さっそくエンジンを始動して症状を確認しようとしたのですが、
こういった症状は現場ではよく出るのに、
実際に確認しようとするとなかなか現れないんですよね・・・。
お客様から「ギャー」という音がしたとうかがったので取り外してみてみると、
スターターのギヤがうまくかみ合わず、ピ二オンギヤが摩耗をしていました。
このフォークリフトは工場建屋内のせまい範囲で使用していて、
一度始動してからの稼働時間が短く、
エンジンの始動回数がとても多いので、
ギヤの摩耗もはやくなってしまったようです。
また、エンジンがかかりにくいからと長くスターターをまわしてしまうことや
エンジンが回りはじめているのにスターターをまわし続けてしまっても
同様にギヤの先端を痛め、摩耗をはやめてしまうので注意してください。
二件目は『エンジンが全くかからず、キーを回してもなにも反応しない』ので
至急見てほしいと連絡が入りました。
エレベーターの前で立ち往生しているとのことで、
バッテリーが上がったのかな?と思いつつ現場にむかうと
オペレーターの方が「ちょっとこげ臭い」と教えてくれました。
エンジンルームをみてみると、ほのかにスターターから立ち上る煙が一筋!
手をかざすだけでわかるほど異常に発熱していました!
内部の接点が溶着してしまい電流が流れつづけていたようです。
三件目は
『たまにエンジンがかからないがスターターをこづく(叩く)と動く』とのことでした。
これは割とよくある事例だと思います。
スターターが『たまに動かないことがある』から、『10回に1回動かない』、
『2、3回に1回動かない』と不調の頻度がだんだんと多くなり
最後にはウンともスンとも言わない。
のび太のママばりのショック療法はとてもおススメできません。
いつ始動できなくなるかわかりませんし、二件目の事例のように焼損して、
最悪の場合火災につながる恐れがあります。
この三件の事例はどれも症状は違うけどスターターの不良が原因でしたので、
スターターの交換により無事修理完了となりました。
スターターの不良原因としてもっとも多い症状は
経年劣化による消耗だと思いますが
ホコリや砂などが混入するとさらに劣化を早めてしまいます。
また、車両側の不良によりスターターを痛めてしまうこともあります。
キースイッチをまわすときキーにガタつきがある、動きがしぶい、
まわした後戻りがわるいなどの症状があると
エンジンが始動したあとにうまくキーがもどせず、
オーバーランをおこし破損するおそれがあります。
バッテリーが弱っていたり、バッテリーターミナルの腐食、
配線の劣化などにより始動までに時間がかかり、
長くスターターをまわしつづけたために内部接点が損傷する可能性などもあります。
最近エンジンを始動するとき、『いつもと違う音がする』、『何か焼けたニオイがする』など
お使いのフォークリフトに違和感を感じたら、ぜひピーシーエスにご相談ください。
しっかりと原因を確認して修理のご提案をさせていただきます。
本日のブログは本社サービス二課の久保田がお届けしました。