フォークリフトが本当に持てる荷物の重さは?

こんにちは。PCSの西村です!

今回は「フォークリフトで実際に持てる荷物の重さ」について、意外と見落としがちなポイントをわかりやすく解説します。


許容荷重とは?

フォークリフトには、車種や仕様ごとに「許容荷重(最大荷重)」が定められています。

許容荷重とは、フォークリフトが安全かつ機能的に持ち上げられる最大の重量のことです。

例:2.5トンフォークリフトの場合

■2.5トンフォークリフトの例

 

 

 

 

 

 

こちらのフォークリフトは「2.5トン仕様」。車体の横に「25」と表示されています。

普通は「2.5トン(=2500kg)まで持てる」と思いますよね?

ですが、ここに重要な注意点があります!

荷重中心(ロードセンター)を知ろう

荷重中心とは、荷物の「重心」の位置です。

具体的には、フォークの垂直面から荷物の重心までの距離を荷重中心距離と呼びます。

標準の荷重中心距離は?

一般的には、500mm(=50cm)が基準です。これは、奥行きが1000mm(1m)のパレットを前提としています。

 

 

 

 

 

つまり、荷重中心が500mmなら「2.5トンまで持てる設計」になっています。

荷重中心が遠くなると?

荷物が大きく、長いフォーク(ツメ)を使って荷重中心が800mmになった場合はどうでしょうか?

このときに必要なのが…

📈 荷重曲線表!

 

 

 

 

 

荷重曲線とは?

荷重曲線表とは、荷重中心の距離と、持ち上げ可能な重量の関係を示した表です。すべてのフォークリフトに表示されています。

この例では、荷重中心が800mmの場合、最大で1900kgまでしか持てないことが分かります。

なぜ持てる重さが変わるの?

これは「てこの原理」が関係しています。

  • 荷物の重心が前方に移動すると…
  • フォークリフトの前輪にかかる力が増える
  • 転倒や前輪の浮き上がりのリスクが増加
  • 結果として、実際に持てる重量が減る

まとめ:重さだけで判断しない!

  • 許容荷重=重さだけではなく、「荷重中心」の位置が大きく影響します。
  • 荷物の大きさ・形状・フォークの長さまで考慮することが大切です。
  • 作業前には、必ず荷重曲線表を確認しましょう!

西村からひとこと

私もフォークリフトの資格を持っていますが、PCSに入るまで、正直「荷重中心の影響」までは意識していませんでした(笑)

教習所で一度は学んでいる内容ですが、現場では意外と忘れがちです。ぜひ今一度、確認してみてください。


それでは皆さま、今日もご安全に!