パワーステアリングの修理を行いました。
平塚出張所のある工場の部署よりフォークリフトの後ろ側にオイル漏れがあると連絡が入りました。
早速フォークリフトの現車を確認したところ、
リアアクスルのパワーステアリング
(いわゆるパワステですね。以降はパワステでお話しさせていただきます)
シリンダーからのオイル漏れがありました。
恐らくパワステのシリンダー内のパッキンに原因があると思われます。
今回のブログはフォークリフトのパワステのシリンダー修理についてお伝えします。
さて今回修理を行うフォークリフトの部署は完成した製品の入出荷を管理している倉庫で
フォークリフトにより製品の棚への整理やトラックへの積み込みなど
旋回や切り返しがとても多いところです。
さらにこのフォークリフトは稼働時間が12,000時間をこえる非常に稼働の多いフォークリフトです。
パワステのパッキンもよくもちこたえた方だと思います。
パワステのピストンロッドにもうっすらと線状のすり傷が見られますが、
漏れの原因となるほど深い傷ではないようです。
それではパワステのシリンダーを
フォークリフトの車体から取り外し、分解してパッキンを確認してみます。
このフォークリフトのパワステは全油圧式です。
パワステのシリンダー両端のピストンロッドガイドが
長いボルトで締付られているので、これを外すと分解できます。
パッキンはピストンロッドガイドとピストンロッドの中央に取り付けられています。
分解したパワステのシリンダーのピストンロッドガイドです。
外側のものがダストシール、内側の黒いものがパッキンです。
どちらも目視で確認できるほどの損傷は見られませんが、材質が硬くなっています。
特にパッキンのほうは弾力性がなくピストンロッドの太さにクセがついてしまっています。
今回のパワステのシリンダーのオイル漏れはこのパッキンの劣化が原因のようです。
さらにピストンロッドガイドを点検していると、
パワステの油圧ホース接続部分に汚れがたまっていました。
こうした異物の混入もパッキンを傷める原因の一つですね。
ダストの粒子が細かすぎて作動油タンクのストレーナーやフィルターでも除去しきれないようです。
フォークリフトの作動油と作動油フィルターも消耗品です。こちらも定期的に交換してあげましょう。
パワステのシリンダー各部品に異常が見られなかったので、
清掃してパッキン、シール類を交換します。
あとはもとに組み付けてパワステの作動確認、漏れ確認、作動油量の確認をして完了です!
今回のパワステのシリンダーのオイル漏れはパッキンの劣化によるものでしたが、
以前、リアタイヤを接触させたことで
パワステのシリンダーのパッキンが変形しオイル漏れを起こしたフォークリフトがありました。
フォークリフトは見た目の大きさより非常に重量があります。
少しの接触でも想像以上のダメージを受けているかもしれません。
ピー・シー・エスでは、フォークリフトの各種点検整備行っております。
オイル漏れや破損等フォークリフトのことでお困りのことや気になることがありましたら
何でもお気軽にお問合せくだい。
本日のブログは夏休みの工作の課題に子供達以上にはまっている
平塚出張所の久保田がお届けしました。