フォークリフトの「リフトチェーン」の点検、測定の方法
今回のブログは、フォークリフトの荷役装置の一部である「リフトチェーン」について
ご説明していきたいと思います。
フォークリフトの「リフトチェーン」は、一般的なスタンダードマストタイプでは、
左右2本取付られており、リフトチェーンの片側が
アウターマスト(外側の固定されているマスト)部に連結されチェーンホイール(滑車)を介して、
もう片側はリフトブラケット(ツメが付く部分)部に連結されております。
リフトシリンダーを油圧で押し上げることによって、
上部のチェーンホイールが回転しながら上昇し、リフトチェーンが引っ張られることにより、
リフトブラケットが上昇しフォーク(爪)で荷物を持ち上げることができます。
文章にすると少しややこしいですが・・・このような基本構造、基本動作となります。
リフトチェーンは構造規格第9条によって、
静的強度の安全係数が5以上(最大荷重の5倍の荷重に耐える)と規定されているため、
荷重積載時に十分な強度を必要とします。
また、リフトチェーンは長期間の使用によって
摩耗、伸び、腐食等を起こし強度が低下するため日常点検が重要になってきます。
リフトチェーンの点検、測定方法
●リフトチェーンの張り具合の点検をする。
○×判定基準→左右均等であること。
①マストを垂直にし、フォーク(爪)を床面上約10cm程度にする。
②左右2本のフォーク(爪)を車両中心線に対して左右等しい位置にする。
③チェーンホイールとリフトブラケット固定端との中間点を、
左右交互に押してみて、2本の張り具合に差があるかどうか点検する。
●リフトチェーンの伸びを測定する。
○×判定基準→メーカーの指定する基準値内(許容限度内)であること。
※メーカーや機種によっては基準値(許容限度)が異なるため必要な場合はお問合せ下さい。
【伸び測定】
マストを垂直にし、フォーク(爪)を床面上10cm程度にする。
左右2本のフォーク(爪)を車両中心線に対して、左右に等しい位置にする。
リフトチェーンの最も摩耗している箇所
(リフトチェーンとホイールの接触の多い所)をチェーンゲージで測定する。
●リフトチェーンの亀裂、変形、損傷及び腐食の有無を点検する。
○×判定基準→亀裂、変形、損傷又は腐食がないこと。
①リフトチェーンに付着している油、ほこり等を除去しながら
亀裂、変形及び損傷の有無を目視で点検する。
②腐食は、給油不足か特定の場所(塩害等)に限られるので、
要因を調べることが肝要である。
腐食が発生しているリフトチェーンは摩耗、伸びに注意する。
●チェーンホイールの変形、損傷及びガタの有無を点検する。
○×判定基準→変形、損傷又はガタがないこと。
①変形、損傷
リフトチェーンをチェーンホイールから取外し、
回転させながら変形及び損傷の有無を目視で点検する。
②ガタ
チェーンホイールを手で動かして、ガタの有無を触診と目視で点検する。
以上がフォークリフトのリフトチェーンの点検、測定方法となります。
フォークリフトのリフトチェーンの点検、測定を怠るとリフト作動時に
上昇不良又は下降不良を起こしたり、最悪の場合はリフトチェーンが断裂して
重大事故を引き起こす恐れがありますので必ず実施願います。
もちろん、フォークリフト専門業者のピーシーエスでも実施可能なので、
いつでもお気軽にお問い合わせ下さい。
本日のブログは毎年、花粉症に悩まされておりますが
今年は、あえてノーガードで挑もうかと考えている
本社サービス出張班の岡田がお届け致しました。