フォークリフトのデフについて|ピーシーエス

フォークリフトも車両ですので、
スムーズな走行のためにデフ(デファレンシャル)を備えています。

自動車に詳しい方でしたらすぐに「デフ」のひと言でご理解していただけると思います。
あえて「デフ」というとサーキットなどでスポーツ走行をする自動車によく使われる
「LSD」のほうを思い浮かべてしまうかもしれませんが
ここでは一般のデファレンシャルについてのお話です。
(実はフォークリフトにもオプションで「LSD」の設定もあります。)

デファレンシャルギア、デフギアとも呼ばれていますが、
デフのひと言でほぼ伝わるほど名称は浸透していると思います。
(以降はデフとさせていただきます。)

一般的に自動車やフォークリフトなどの解説書には、
デフとは「差動装置」のことでファイナルギアと組み合わされて
アクスルハウジング内に取付られ
エンジンで発生させた動力の回転方向を変換し左右の駆動輪に伝えるとともに、
左右の駆動輪に回転速度の差が生じた場合は
旋回の内側は回転を減速し外側は加速させて回転を配分する装置と記載されています。

特にフォークリフトは狭い場所でも小回りがきくことで作業効率が高い荷役車両です。
ハンドルをいっぱいに切って旋回するとき、
旋回の内側のタイヤは外側のタイヤに比べほとんど回転していません。
ぜひ一度、旋回中のフォークリフトの前輪のタイヤの動きを見てみてください。
結構回転速度に差があります。デフの作用がよくわかると思います。
もしフォークリフトにデフがなかったらタイヤはスリップしてしまい、
旋回半径ももっと大きくなってしまいます。

画像①

デフはフォークリフトの車体前面下部の
アクスルハウジングの中に取付られオイルに浸っています。
詳しいことは省略しますが、デフは複数のギアを組み合わせた構造になっています。
スムーズな作動のためにギア用のオイルで潤滑させています。
フォークリフトの走行速度では自動車ほどの高速での回転はしませんが、
重い荷を持ち旋回するのでやはりデフのギアにも負担がかかってきます。
フォークリフトの各メーカーでも6ヶ月または1200時間での定期交換を推奨しており
デフのオイルが劣化したり、減ってしまうと内部のギアを十分に潤滑できず、
ギアの摩耗や破損につながります。

デフのオイルはエンジンオイルと違って燃焼して減ってしまうことはありませんが
稼動が多かったり接触などでシールや接合面から漏れてしまうことがあります。
当たりどころが悪いとデフオイルを交換するためのドレンボルトを破損し
オイルが全て漏れ出てしまうこともあります。

トヨタ製のフォークリフトでは前面にデファレンシャルカバーを備える構造のため
万一接触させてしまうとデファレンシャルカバーがゆがみオイル漏れを起こしてしまいます。
このデファレンシャルカバーは3㎜ほどの鉄板ですので
最悪の場合は中のデフ自体まで破損させてしまうかもしれません。
フォークリフトはぜひ安全運転でお願いします。

画像②

もしお使いのフォークリフトのデフの周辺にオイル漏れがある!
いつもフォークリフトを駐車しているところにオイルの染みがある!
フォークリフトの前や下周りを接触させてしまった!
などなど不安に思うことがありましたら、ぜひピーシーエスにご相談ください。
当社自慢のサービスマンが皆様のフォークリフトの状態を確認して
修理のご提案をさせていただきます。

だんだんと暖かくなってきて本格的に花粉がとびはじめ、
目元や鼻からのモレが気になりだした
平塚出張所の久保田がお届けいたしました。

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