フォークリフトのインチングについて

本日は、フォークリフトのインチングペダルについてご説明していきたいと思います。
『そもそもインチングペダルって何?』と思っている方も多いと思います。
私も入社した時にはわかりませんでした。
名前は聞いたことあるけど、使い方がいまいちわからない方もいると思います。
それではインチングペダルとはどういう役割をしているのでしょうか?

フォークリフトの「インチング」とは?

今回はトヨタの車両を例にご紹介致します。

まずはどのような車両にインチングペダルは付いているのでしょうか。
すでにご存知の方もいるかと思いますが、
フォークリフトは自動車と同様に、M/T車(マニュアル)とA/T車(オートマ)があります。
結論から言いますと、インチングペダルはA/T車(オートマ車)に付いています。

M/T車の場合はペダルが右からアクセル、ブレーキ、クラッチとなっています。
160127_1

A/T車の場合はペダルが右からアクセル、ブレーキ、インチングとなっています。
160127_2

※ちなみにインチングペダルはバッテリー車には付いておりません。

インチングペダルの使い方

それではインチングペダルの使い方をご説明させていただきます。

皆さんはフォークリフトを使用していて、このような経験をしたことはありませんか?
フォークリフトのツメを荷物に差し込むため、
アクセルを踏んで素早く目的の位置まで揚げようとした。

アクセルを踏み込んだ場合と踏まない場合とでは、ツメの上昇スピードが違います。
アクセルを踏むことでエンジン回転があがりツメを素早く上昇させることができます。

しかしアクセルを踏み込むのであれば、
シフトレバーがニュートラルになっていないと車両も動いてしまいとても危険です。
アクセルを踏むたびにシフトレバーをニュートラルにすれば解決できそうですが、
シフトレバーの操作を間違えたり
毎回、シフトレバーを操作するのも効率が悪いですよね。

そんな悩みを解決してくれるのが、このインチングペダルです。

インチングペダルを踏み込むことで走行動力を切断して、
シフトレバーを戻さなくてもニュートラルと同じ状態になります。
しかもインチングペダルはブレーキペダルと連動しているために、
奥まで踏み込むことでブレーキが作動します。
ブレーキが作動しているので、坂道でも車両が動く心配がありません。

インチングペダルを使用する際の注意点

次に、インチングペダルを使用する際の注意点をご説明します。

・インチングペダルの上に足を乗せたまま走行しない。

・インチングペダルを使用するとニュートラル状態になりエンジンブレーキが効かなくなる。

※エンジンブレーキとはエンジンの回転を利用したブレーキのことで、アクセルを戻すと回転数が落ち
エンジンの出力が低下して、スピードを落とす仕組みになっています。

前文で少し説明しましたが、
インチングを踏むことで走行動力が切断され、ブレーキが作動します。
走行動力が切断される(ニュートラルになる)ということは、
内部にクラッチが付いているということになります。
ここでM/T車(マニュアル)とA/T車(オートマ)のクラッチの違いを説明します。

M/T車(マニュアル)のクラッチは、
クラッチペダルを踏んでギヤを入れてクラッチペダルを戻すことで
ダイレクトにタイヤに動力をつなぐことができます。
クラッチを半分つなぐ(半クラッチ状態)ことで、前後進などの微調整をすることができます。

A/T車(オートマ車)のクラッチは、オートマチックトランスミッションに内蔵されており
インチングペダルを踏み込むことでオイルの流量を調整しクラッチ操作をします。
インチングペダルを軽く踏む(半クラッチ状態)ことで、前後進などの微調整できます。

しっかりと使用方法を理解できれば事故なく安全に作業することができますよ。

最後に

フォークリフトの使用方法やメンテナンス方法など
ご不明なことがあれば、お気軽にピー・シー・エスにお問い合わせください。