「怒らない経営」

カンブリア宮殿で取り上げられる企業には、毎週勉強させていただいています。

昨日取り上げられた、レストラン・エクスプレスの特集で、身の凍る思いがしました。

いままで生きてきて、自分の経営スタイルを変えるきっかけとなったセミナーや本、企業実例の数々。

その中で、現在わたしの経営の根幹をなす考え方となっているのは下記のふたつです。

・「理念実践型経営」  ブリングアップ代表取締役 国吉 拡 氏

・「社員第一、顧客第二主義」  サウスウエスト航空の奇跡 伊集院 憲弘 氏

このふたつの根幹にもう一つ、どうしても加えなければならないことに昨日出会いました。

それが、

・「怒らない経営」  レストラン・エクスプレス 社長 江見 朗 氏


江見氏は、

「ビジネスは合理性を追求するゲーム」とし、
「怒りは合理的でない。合理的でないものは儲けを生まない。
怒って売上が伸びるものなら怒るのが正解だが、怒っても売上は伸びないので怒らない。」

と言い切ります。

我が身を振り返ると、私は比較的怒る方だと思います。どちらかというと鬼軍曹タイプ。
昔はもっとひどかった(笑) 管理職に対しても、
「部下に遠慮せず鬼軍曹になれ!」と指導したりしています。

では自分はどういうときに怒っているのか? 自分の胸に手を当てて。。。

(1)「自分ならこうする」という基準と違うことを社員がしたとき(悪い方向に)。

(2)「怒る」ということによってショックを与え、考え方や行動の改善を促したいとき。

(3)「怒る」という行為を、本人だけでなく周りの社員たちにも見せて、引き締め効果を狙うとき。

(4)「怒る」という行為そのもので自分のストレスを発散したいとき。

(5)自分の威厳を示したいとき。

(1)(2)(3)とも、よく考えてみたら「怒る」という行為よりももっと合理的で効果的な方法があります。
怒られるとやる気が出ると勘違いしているトップが私を含めて多いと思いますが、
人間の心理としては怒られるとやる気をなくす人の方が多いでしょう。
また、よく怒る人にはあまり近付きたくありませんから、
コミュニケーションが非常に取りづらくなるでしょう。
「怒る」ということはまったく合理的ではありません。

(4)(5)は自分のために怒っています。問題外。でも意外にやっているように思います。大反省。

自分から「怒る」という手段を取り上げたとき、知恵を絞らなければなりません。
他の方法を考えなければなりません。これは大変です。
怒ると、怒った側には一定の満足感が残ります。
「怒ってやった。これで彼も(彼女も)わかっただろう。フムフム。」というやつです。
でもその手段、および役に立たない満足感はこれからは使えません。

ではどうするか? 江見氏は番組の中で答えをコメントしています。

「信用して任せること。ミスすることも含めて信用して任せること。」

私には、江見氏が最初から「怒らない」境地に達していたのかどうかには疑問があります。

もしかしたら、自ら立ち上げた事業が
自分だけのがんばりでは何ともならない規模になってきたとき、
部下を信用して任せるために自分から「怒ること」を取り上げたのではないかと。
もちろん、生まれながらにお釈迦様のような方なのかも知れませんが。

ともかく、昨日のカンブリア宮殿を見て、私も「怒らない」ことを決めました。

さっそく朝から、いつもなら怒っているはずの出来事が複数発生しておりますが(爆)
がんばります!!