フォークリフトの作動油(ハイドロリックオイル)の交換目安は?
フォークリフトの「オイル交換」と聞いて、皆さん真っ先にエンジンオイルの交換を想像することでしょう。
エンジンオイルはフォークリフトでも乗用車でも定期的に交換を行う必要があるため、とても身近な存在ですよね。
しかし、乗用車でもフォークリフトでもエンジンオイル以外にも多数のオイルが存在します。
「ミッションオイル」「デフオイル」といったものがありますが、フォークリフトには「作動油(ハイドロリックオイル)」と呼ばれるとてもとても大切なオイルがあります。
作動油(ハイドロリックオイル)とは
エンジンオイル交換がエンジンを守るオイルであるように、作動油は荷役装置・パワーステアリング装置を守るためのオイルです。
フォークリフトの特徴である「荷物を持ち上げる」「荷物を置く」という動作に活躍するダンバー機構で用いられ、荷役に欠かせないとても大切なオイルなんです。
このことから、フォークリフトでは作動油交換はエンジンオイル交換と同じくらい大切なメンテナンスであることがお分かりいただけると思います。
作動油の劣化は水分と金属粉
では、フォークリフトの作動油はなぜ劣化してしまうのでしょうか?
それは、作動油タンクに出入りする空気がごみや水分を持ち込んでしまうためです。
装置自体も磨耗によって金属粉を発生させるので、段々と汚れてしまいます。
作動油が水分を含み乳化してしまうと、 本来のオイルに求められる潤滑の役割を果たせず、部品の劣化や破損に繋がるというワケです。
劣化した作動油はシール腐食や錆のもと
劣化した作動油をそのまま使い続けると、油圧ポンプや油圧機器の循環性が失われ、シールが腐食してしまいます。結果、漏れやエアー噛みを引き起こす事態に。
また、作動油に異物が混入すると異物が周動部や隙間に入り込み、異常摩擦が生じて金属粉等の新たな異物を発生させてしまいます。
このことから、劣化した作動油の使用は異常音・異常発熱・速度低下・圧力上昇不良・油漏れ等を発生させてしまうといえます。
劣化した作動油をそのまま使用すると、大がかりな分解修理や装置自体(リフト、ティルトシリンダーASSY、オイルポンプASSY等)のまとまった部品での交換が必要になり、部品代や工賃が高くなってしまうことがあるので注意しましょう。
定期交換の目安は稼働2400時間
作動油も定期的に交換を行えば大きな故障を未然に防げ、フォークリフトも元気に働いてくれます。
フォークリフトメーカーでは作動油交換時期を以下のように推奨しています。
メーカー推奨 作動油交換時期 | |
三菱 | 1年毎 か 2400時間毎 |
トヨタ | 6か月毎 か 2400時間毎 |
また汚れが著しい場合には、作動油の交換を行い、作動油タンクのエレメントも合わせて交換しましょう。
「皆さま、相模川の幻想的な日の出を見ながら今日も一日安全第一でお仕事頑張ってください(^o^)丿。」