減りすぎたタイヤはキケンです!|ピーシーエス

今年もそろそろ梅雨の時期になってきました。
雨の中でのフォークリフトの作業は普段以上に気を使いますよね。

積荷が濡れてしまうこともありますが、
濡れたフォークリフトのツメはすべりやすくなり荷崩れの恐れもあります。
路面もすべりやすくなり、
いつもどおりにフォークリフトを走行していてはスリップしてしまうかもしれません。
すり減っているタイヤでは溝が浅くなり排水性能が低くなっているのでさらに危険です。
フォークリフトは摩耗したタイヤで走行し続けてしまうと
他の不具合にも繋がってしまう事もあります。

今回のブログではフォークリフトの
「摩耗したタイヤで走行し続けたために発生した不具合」についてお伝えします。

事例①:3.0トンディーゼル車 エンジンマウントの破損

建設現場にてノーパンクタイヤ(ニューマチック形クッションタイヤ)を装着したフォークリフトで
資材の運搬を行っていました。
道路の地下道建設ということで稼働中のフォークリフトは走行が非常に多い現場でした。
夜間作業もあり稼動も高く、タイヤの摩耗も早く進行していました。
さらに現場は砂利等で路面の状態が悪いうえに、
フォークリフトの車体は走行時の振動、ショックを多く受けていました。
過度に摩耗しているタイヤで稼働を続けたために路面からの衝撃がさらに強く伝わり
衝撃、振動を吸収するエンジンマウントにも負荷がかかってしまい、
ついにはボルトが折れてしまいました…!

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フォークリフトに使われているノーパンクタイヤ(ニューマチック形クッションタイヤ)は
空気が入る部分が軟質ゴムで構成されているのでパンクの心配がなく、
長時間使える利点があります。
タイヤのトレッド面の溝がすべてすり減ってしまっても走行する事ができますが、
タイヤの厚みが減るほどソリッドタイヤのように乗り心地が悪くなるだけではなく、
衝撃によりフォークリフトの車体各部に悪影響が出てきます。
また、過度なタイヤの摩耗はフォークリフトの他の不具合にもつながります。

事例②:2.5トンディーゼル車 車体下面の接触による損傷

タイヤの厚みが減っての事例をご紹介します。
タイヤのスリップサインを超えて、さらに厚みが減ったタイヤは
フォークリフトの下面と路面との高さ(地上高)も低くなってしまい、
路面との高さが近くなるほど、障害物や路面の凹凸に接触しやすくなってしまいます。

アンダーガードを装着しているフォークリフトであれば巻き込みを防ぐことができます。しかし、
今回の事例は、アンダーガード未装着のフォークリフトでエンジンの下を接触してしまい、
オイルパンがへこんで裂けてしまっただけでなく
エンジン内部まで接触していて大きな修理が必要となってしまいました。
また、フォークリフトボディーの下にある、
右側駐車ブレーキのワイヤーを引っかけてしまったために
ブレーキが片効きになった影響でタイヤの左右がちがう減り方をしてしまいました。
こちらもタイヤ交換だけでなくブレーキ関係の修理が必要となってしまいました。

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フォークリフトに使われているタイヤにも
摩耗限度を知らせてくれるマーク(スリップサイン)があります。
日々の点検でも確認して大きなトラブルになる前にタイヤ交換をお勧めします。

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今回のブログは溝の浅くなったスタッドレスタイヤでスリップして冷や汗をかいた事のある
本社サービスの船橋がお届けしました。

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