フォークリフトのバッテリー上がり|ピーシーエス

事例:『ブレーキスイッチ不良によるバッテリーの消耗』

今回のブログではちょっと変わったことが原因の
フォークリフトのバッテリー上がりがありましたのでご紹介します。

先日、2.5tディーゼルフォークリフトの特定自主検査の依頼をいただき
お客様の所にうかがいました。
先ずはお客様にフォークリフトの状態を問診させていただいたところ、
「バッテリーを交換したばかりだけど、エンジンのかかりが何となく重たい」
と相談をうけました。

フォークリフトのエンジン始動回数が多いことが、
原因なのではと思ったのですが・・・止める事無く動き続けているそうなので
これは違うようです。

では、実際にフォークリフトを確認してみます。
まず、フォークリフトのエンジンを始動してみると
確かにスターターモーターの回転が遅く、エンジンのかかりが重く感じました。
本当にバッテリー交換したばかりなのかと疑うほどでした。
電圧・比重を測定したところ、どちらにも低下がみられバッテリー上がり気味でした。
しかし、充電電圧を測定すると正常な電圧を発生するので
充電は正常に行われているということになります。

次にバッテリー自体の確認をしてみます。

このままバッテリー消耗の原因を調べていては
フォークリフトの特定自主検査が完了できなくなってしまうので
先に検査を進めることにしました。
ブレーキ関係の検査を一通り終えて踏みしろの確認をしていると、なんと!
フォークリフトのブレーキランプが点灯したままになっていました。
ブレーキの踏み方を少し変えるとブレーキランプが点いたり、消えたりの繰り返しでした。

このフォークリフトのバッテリー消耗の原因は、
ブレーキランプのスイッチが正常に作動しないためでした。
ブレーキペダルから足を離してもスイッチが機能せず
ブレーキランプが点灯したままになりバッテリーの電力を消費していました。
常に症状が出ていたわけでは無いためになかなか気が付かなかったようです。

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似たようなフォークリフトのバッテリー上がりの事例としてはライトの消し忘れも同様です。
ライトを点灯したままフォークリフトのエンジンを止めてしまうと充電されないので、
バッテリーの電力は消費する一方です。

バッテリーが消費しつづけて完全に放電してしまうと、
再度バッテリーを充電しても回復できない状態になってしまう事もあります。
残念ですがこの場合はあきらめて新しいバッテリーに交換して下さい。
これは人為的なミスですので、
普段から操作に気を配っていただければ十分に防げることと思います。

ブレーキスイッチの不良も毎日の運行前点検時に
ペダルから足を離した際にブレーキランプが
しっかりと消灯もしているか確認していただければ防ぐことが出来ると思います。
運行前点検を確実におこなって大きなトラブルになってしまう前に対処いたしましょう。

もしお使いのフォークリフトにいつもと違う違和感を感じたりトラブルがあったら、
いつでもお気軽にご相談ください。

今回のブログは本社サービス二課のミスター馬車馬こと高村がお届けしました。

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