コントロールバルブ不具合事例|ピーシーエス

皆さまが日頃より大切にご使用されているフォークリフトの荷役操作で
「最近、何かおかしいなぁ?」と感じられることはありませんか?
もし、その様に感じられることがありましたら一度、
点検を行ったほうが良いかもしれませんね。

今回は、実際に起きた不具合事例をご紹介したいと思います。

◆車両
トヨタ、2.5トン、ディーゼルカウンター車

◆不具合内容
何か引っかかった様な動きでリフトの下降速度が遅い

◆エラーコード
68-3(リフトスイッチ降下SWショート異常)履歴あり

先ずは、現象確認の為、荷役操作でリフト上昇させます。
スムーズに上昇し問題なし。
荷役操作でリフトを下降させます・・・・・。確かになかなか下降してきません。
エラーコードは出ませんでした。

症状が確認できましたので各所点検していきます。

①リフト降下スイッチ(リフトリミットスイッチ)点検
コントロールバルブのリフト油路回路ブロック下部に取り付けられております。
車両取り付け状態と単体でのスイッチやワイヤーハーネスの導通や
接点の作動点検を行い問題なし。
少量の湿りがあったので、ショートで検知した恐れがあるので
清掃して組み直し次に進みます。

②マスト&リフトブラケット点検
マストはリフトブラケットのガイドの役割をしますので変形していると
動きが悪くなる原因になることもありますので点検します。
リフトブラケットは、左右にベアリングが取り付けられており、
マストのガイドによってスムーズに動くようになっています。
クリアランスがないと動きが悪くなる原因になりますので点検します。
マストとリフトブラケットの動きやクリアランスに問題はありませんでしたので、
次に進みます。

③コントロールバルブ点検
コントロールバルブは荷役操作レバーによって
油路回路を切り替えリフトシリンダー、ティルトシリンダー作動させています。
更に安全弁が付いており最高圧力を規制し
油圧機器及び回路各部の破壊を防止する役目もあります。

①、②を点検しましたが問題なかったのでコントロールバルブ内部で不具合があると予測。

今回、不具合となっているコントロールバルブの
リフト油路回路ブロックの部分を確認していきます。

1)車両からコントロールバルブを取り外し各ブロックに分解。

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2)コントロールバルブ(リフト部)を分解していきます。

リフトリミットスイッチを外しリフトスプール
(荷役操作レバーで油路の切り替えをするロッド)取り外します。
異物の付着や破損等の点検、問題なし。
コントロールバルブのリフトスプールが通る内部も問題なし。

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リフトロックバルブを外しフローレギュレータバルブを取り外します。
あっ!・・・(@_@;)なんだこれ??
スプールの移動を制御しているスプリングがっ~バラバラに・・・・・・。

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☆今回のリフト降下速度が遅い原因がわかりました。
コントロールバルブのリフト部にある
フローレギュレータバルブ内のスプール制御のスプリングが破損
通常はこのスプリングがスプールを押し戻す役目をしているのですが、
スプールを押し戻せない為に降下時の油路回路が
狭くなったままとなりリフトの降下速度が遅くなっていました。

最後に、各コントロールバルブのブロックにスプリングの破片がないか
確認し清掃、新品のスプリングとパッキン類を交換し
組み付け直して、作動確認を行い無事に直り作業完了。

ピー・シー・エスでは、各種点検整備行っております。
フォークリフトのことでお困りのことがありましたら何でも
お気軽にお問合せくだい。お待ちしております(^O^)/

本日のブログは、本社サービス山口がお届けしました。

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