フォークリフトのポイント交換の方法

先日、20年以上も前の古い日産のフォークリフトの点検を行いました。

なかなかお目にかかれないフォークリフトでしたので
いろいろみていると、A15型のエンジンを搭載していました。

その昔自動車ではサニーなどに搭載され、
レースでも大活躍したエンジンだそうです。(先輩に聞きました)

そんな素性のいいエンジンがフォークリフトにも使われていたなんて驚きです。

当然、キャブレター式のエンジンですので、
冬の寒さで始動もしにくいのかと思ったのですが一発始動で吹け上がりも快調でした。

調子もよさそうだなぁと見ていたら、
なんとディストリビュータがポイント点火方式でした。(実ははじめてみました…)

トヨタのガソリン式フォークリフトでは今でもディストリビュータを採用していますが、
さすがにトランジスタ式点火方式です。

日産(現ユニキャリア)のエンジンでは自動車と同様に
ダイレクトイグニッションになっています。

なかなか整備をすることはないと思いますが、
ポイントは寿命の短い部品だと聞きます。

今後のためにもポイントの交換方法について調べてみました。

まずは簡単に点火装置の原理について説明させて頂きます!!

○ディストリビュータ―式の点火装置

・一次回路

⇒バッテリーのプラス端子からイグニッションコイルに入り
エンジンの回転によってディストリビューターキャップ内のカムが回転し、
電極を開閉する事によりバッテリーからイグニッションコイルに電圧がかかります。

・二次回路

⇒一次回路によってイグニッション内の一次コイルに12Vが加わります。
すると電磁誘導作用(昇圧)によって2次コイルに数百~数千Vの電圧が発生して、
昇圧された電圧がディストリビューターカバー内のローターによって
各気筒に切り替えてプラグに電流が流れて点火します。

○ポイントの交換方法

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・ポイントの取り外し方

①作業前にバッテリーのマイナスを外す。

②クランクプーリーの切欠きをエンジンブロック側に付いているボルトを回して
圧縮上死点前のタイミングマークを合せる。

③ディストリビューターキャップを外し、ローターも外します。

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④ポイントを固定しているネジ2本を緩める。

ディストリビューターの横からポイントの板バネに繋がっているケーブルと
コンデンサーのケーブルを共締めしている端子のナットを緩める。

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⑤ポイントアームから出ている板バネ側のケーブルを端子から外して
ポイントセットを取り外す。

ここで接点の焼け具合とヒールの摩耗の状態を再度目視で確認する。

・ポイントの取付け方

①新しいポイントの取付けにあたっては
アームの板バネに繋がるケーブルを固定するのを忘れないようにする。

ポイントの基台を固定するネジ2本を軽く締めた状態で接点のセンターが合っていて、
平行に接点が閉じるかを確認をする。

②ポイントのアームのヒールの位置にディストリビューターの中心のカム山が
当たっていることを確認する。

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③隙間の調整が出来ましたらポイントの基台を固定するネジ2本を締め付ける。

④エンジンを始動して、タイミングライトのセンサーは
1番シリンダーのプラグコードに挟んで使用して
点火時期が規定の点火位置になっているかを確認する。

※点火時期がずれている場合はディストリビューターを固定しているボルトを緩めて、
ディストリビューターを少し回して点火時期を調整する。

・ポイントの隙間調整

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ポイントの基台に調整用の切欠きがある場合は、
マイナスドライバーを切欠きに引っかけながら回してポイントの隙間調整をする方法と
ポイントの基台に長丸(楕円)の調整穴が空いている場合は、
その穴の中のネジをドライバーで回してポイントの隙間を調整をする。

車両によりますが、ポイントの隙間は通常0.4~0.5㎜であり
シックネスゲージを接点の間に挟んで調整する。

今回のブログを通して、
私自身ポイント式のディストリビューターについて学ぶ事が出来ました!!

お客様がご愛用しているフォークリフトに少しでも不具合を感じた時には
お気軽にピー・シー・エスまでお電話を下さい!!

本日のブログは本社サービス一課の
「津久井の街並みをこよなく愛する」フナッシーこと、船橋がお届けしました!!

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