フォークリフトのブレーキフルードの交換方法

皆さま、定期的にフォークリフトのメンテナンスを実施していますか?

フォークリフトのメンテナンスと言ってもかなりありますが、
今回はあまり気にされていない
ブレーキフルード(ブレーキオイル)の交換について紹介させていただきます。

ブレーキフルードはほとんどのエンジン車・バッテリー車の
カウンター式フォークリフトのブレーキに使用され
さらに多くの自動車・建設機械にも幅広く使用されています。

しかしブレーキフルードは御存知の方もいるとは思いますが、
意外にも交換する時期が遅くその時間は大体2400時間(PCS基準では1000時間)と
なかなか長時間のため点検をおこなわずにいると
ブレーキフルードの交換・存在自体をわすれてしまうことがあります。

今回は、トヨタ2.5トンディーゼルエンジン式カウンターフォークリフトの
ブレーキフルードの交換をおこなっていきたいと思います。
その前にブレーキフルードを交換しないと何が起こるか紹介したいと思います。

点検・整備を怠ってしまいブレーキフルードの交換をおこなわず使用した場合

・【ベーパーロック現象が発生しやすくなる。】
ブレーキフルードにはブレーキをかける度に
ブレーキから熱が伝わりブレーキフルードの温度が上がってしまいます。
長年使用されたブレーキフルードは蒸気などの水分を含むことで
オイルの沸点が下がってしまいます。
そして沸点が下がってしまうことでブレーキをかけている
最中にブレーキフルードが沸騰してしまい、
ブレーキフルード内に気泡が発生することで適正な油圧がかからなくなり、
突然ブレーキが効かなくなってしまうんです!

これをべーパーロック現象といいこれが発生すると大事故に繋がります。

・【ブレーキオイルが漏れやすくなる。】
ブレーキオイルは吸水性が高いため長く使っていると
内部に水が混入してブレーキシステムが錆びやすくなる場合があります。
発生した錆はブレーキの部品の中(マスターシリンダー等)にも発生し、
部品同士を傷つけ、結果として発生した隙間などからオイル漏れが発生し、
大きな修理になってしまいます。

定期点検を怠ると上記の様な重大事故の発生に繋がってしまうので、
定期点検はしっかりおこなっていきましょう。

それでは早速ブレーキフルードの交換をおこなっていきたいと思います。

まずフォークリフトのフットブレーキの上にリザーバータンクがあり、
フタを開けフルードの状態を確認します。

ブレーキフルードの交換

ブレーキフルードの交換

上の画像の茶色い液体がブレーキフルードです。
本来は無色透明で透き通ってますが、今回は茶色く結構汚くなっています。

次にホイールの内側にブレーキフルードのブリーダープラグがあり
そこにブレーキフルードを抜くため8mmのレンチを入れ、
ブレーキフルードを抜くためのタンクをつなぎます。

ブレーキフルードの交換

ブレーキフルードの交換

そしてブリーダープラグを緩め、ブレーキペダルを押すとブレーキフルードがぬけていきます。
リザーバータンクに新しいブレーキフルードを入れながら
ブレーキペダルを押して離す動作を10回ぐらいおこない
古いブレーキフルードが抜けたのを確認してから、
ブリーダープラグを締めペダルを5回ぐらいペダルを押しエア抜きをしていきます。

この動作を左右のブレーキで3セットずつおこないます。

ブレーキフルードの交換
ブレーキフルードの交換

そして気をつけないといけないのが、
私も一度やってしまったのですが、新しいブレーキフルードを継ぎ足し忘れ、
エアをブレーキホース管内に入れてしまったことがあります。
ブレーキの油圧系統内に空気(エアー)が混入すると、
ブレーキペダルによって力が加わっても、
その力が空気を圧縮するのに使われてしまうため、うまく力が使われなくなってしまいます。

つまり、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効きにくい状況になり、
ポンピングしなければならなかったり、ブレーキに遊びがある状態になります。
この、ブレーキフルードにエアを入れてしまうと、「エア噛み」が発生すると、
ブレーキペダルを踏んでも少ししか力が伝わらずに、
危険な状態になりますのでエア抜きは必ずおこないます。

そして左右ブレーキのブレーキフルードの交換、エア抜きが終わったら、
ブレーキフルードのリザーバータンクの規定量までフルードを入れて、
ブレーキ管内にエアが噛んでないか、正常にブレーキが効くか確かめます。

ブレーキフルードの交換

いかがでしょうか?
このようにしてフォークリフトのブレーキフルードは交換します。

そして先程のブレーキフルードの交換を放置してしまったことにより
発生してしまう現象を起こさないためにも
フォークリフトのブレーキフルードのチェックはもちろんのこと
定期点検・日常点検・年次点検はしっかりおこなっていきましょう。

フォークリフトのメンテナンスは重要です。
フォークリフトと末長くお付き合いするためにも、
日々の定期点検、年に一度の年次点検をお願いします。

ピー・シー・エスはフォークリフトのスペシャリストの集まりです。
ブレーキ以外のメンテナンスはもちろんのこと
レンタル・中古車買取販売といったフォークリフトに関するすべてのご要望にお応えいたします!
フォークリフトでお困りのことがあれば、お気軽にお電話ください。

ピー・シー・エスは皆さまのフォークリフトに関するお困りごとを解消致します!!
皆さまからのお電話お持ちしております!!