堅いフォークリフトの爪だって曲がります

皆さまがお使いのフォークリフトに、こんな心当たりはありませんか?
・フォークポケットに爪を差し込む際、以前と比べ爪が差しづらくなった気がする
・フォークリフトの爪に乗せた荷物が、何となく傾いている気がする

もしかすると原因は爪の曲がりかもしれません。

こんな堅いフォークリフトの爪がそんな簡単に曲がるものか!?と
思ってらっしゃる方もいると思います。

確かにフォークリフトの爪は簡単に折れない様に安全基準があります。
「フォークリフト構造規格第8条では、爪の静的強度の安全係数は、基準荷重中心と
これに対応する最大荷重に対し、使用材料の降伏点において3以上でなければならない」
難しくてよく分かりませんが、つまりこういうことです。
2トンフォークリフト(2トン積載できるフォークリフト)の爪であれば
最大荷重である3倍の6トン以上の荷物にも耐えられる強度が必要ということです。
(実際は2トンフォークリフトで6トンの荷物を持つことは無いと思いますが・・)

そんな堅いフォークリフトの爪ですから、極端に摩耗していたり
亀裂が入っていない限りまず折れる事はありませんが、曲がる可能性は
十分にあります。

爪の製造元に以前お聞きしたところ、爪は折れにくくするために
わざと「しなりやすく」作られているということでした。
しならないほど固くしてしまうと、爪に掛かる荷重の逃げ場がなくなり
かえって折れやすくなるということですね。
ということは、長年使っているフォークリフトであれば少しずつ爪が
摩耗し先端に向かって傾斜するのは仕方がないことかも知れません。
左右2本の爪が均等に傾斜していれば、さほど違和感も感じないのですが・・・

さて、フォークリフトの爪の構造について簡単にご説明したところで、
文頭でお聞きした、こんな心当たりはありませんか?についてですが、
フォークポケットに爪が指しづらくなったり、爪に乗せた荷物が
傾いてしまうのは、左右2本の爪が均等に傾いているのではなく、
片方の爪だけが極端に曲がっていることが原因かもしれません。

実際に片方の爪が曲がってしまったフォークリフトの写真をご覧ください。

右下がりになったツメ

これはとある建築現場でご利用いただいたレンタルフォークリフトです。
爪を真ん中に寄せてみると、左右の爪に段差が生じていることが
良く分かりますね?

試しにどれくらい爪の左右差が出ているか測定してみましょう。

ツメの曲がり測定

だいたい8ミリ位、右の爪が下がっています。
原因はおそらく、右の爪だけに何かを頻繁に吊るして使用されたものと
推測されます。(本来その様な使用は厳禁です)
この状態で爪を荷巾に広げると、左右の爪の先端の高さが違うため、
水平に爪をフォークポケットに差し込むことはとても困難です。
また、この状態で荷物をもてば当然、荷物は左に傾いてしまい落下の危険性が
あり大変危険です。

爪の曲がり度チェックは皆さまでも簡単に行えるので是非試してみて
ください。
この状態なら問題はありません。

通常のツメ

チェックの結果、フォークリフトの爪に極端な左右差があった場合は
是非、ピー・シー・エスにご相談ください。
以前のように使いやすいフォークリフトにするためのアドバイスを
させていただけると思います。

本日のブログは本社サービス二課の内藤がお届けしました。

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