フォークリフトのブレーキ不具合事例
フォークリフトのブレーキ不具合と言っても、故障している部品によって様々な症状があります。
そこで今回のブログはフォークリフトの点検中に気がついた不具合事例と修理方法についてご紹介したいと思います。
点検したフォークリフトは、日産製の0.9トンカウンターフォークリフトで不具合は前進も後進もするが
アクセルペダルを踏み込んでも速度が上がらない症状でした。
また、ブレーキペダルを踏み込んだ感覚がとても固く、少し強く踏むとブレーキがすぐにロックしてしまう症状も出ていました。
前輪を持ち上げて、手でタイヤをまわしてもほとんど動かない状態でブレーキの引きずり(ブレーキが効きっぱなしの状態)を起こしていました。
点検の結果、このフォークリフトはブレーキマスターシリンダーの不具合が考えられるためブレーキマスターシリンダーのオーバーホール(分解修理)をしていきます。
①ブレーキマスターシリンダーをフォークリフトから取り外すため足元のボードを外します。
②ブレーキオイルを抜き取ったあと、ホースやパイプ、取り付けボルトを外して ブレーキマスターシリンダーを車体から外します。
③ブレーキマスターシリンダーを分解していきます。
ブレーキマスターシリンダー内にホコリや水の浸入を防ぐためにあるブーツを外します。
外してみるとブレーキオイルの漏れはありませんでしたが、サビが酷い状態でした。
(分解するのが大変そうです…(>_<))
予想通り、サビていて大変でしたがブーツ以外の部品も外すことができました。
どうやら不具合の原因はブーツが劣化して水が浸入し、サビが発生した結果、ピストンが少し押された状態で固着してブレーキが引きずりを起こしてしまったようです。
④ブレーキの引きずりの原因がサビによるものだとわかったので、まずは、ブレーキマスターシリンダー内のサビを除去します。
⑤サビを除去したあとにあらためて内部を確認しましたが、キズなどもないので新品のオーバーホールキットを
外した逆の順番で組み付けて、ピストンの動きに問題がないかを確認し、
車体に取り付けます。
⑥車体に取り付けたあとにブレーキのエア抜き作業を行い、
最後に走行してブレーキの効き具合とブレーキオイルの漏れの確認して
オーバーホールは完了となります。
このフォークリフトのブレーキ不具合はブレーキマスターシリンダーが原因でしたが、同じブレーキの引きずりの症状でもパーキングブレーキのワイヤーが原因だったりドラムブレーキ内にあるホイールシリンダーが原因だったりもします。
フォークリフトのブレーキの故障は重大事故につながる可能性があるので普段お使いのフォークリフトで今回ご紹介させていただいたような不具合やブレーキの効きが悪くなったなどありましたら、「今は動いているからいいや」と思わずに
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本日のブログは埼玉営業所サービスの茂呂がお送りしました。