フォークリフトのクラッチ交換

今やオートマチックが主流となっている自動車と違いフォークリフトには
まだまだ多くの車両にマニュアルトランスミッションが使われています。
そんなマニュアルのフォークリフトにおいて多くの修理のお問い合わせをいただく
内容がクラッチディスクの磨耗による走行不良です。

具体的にどのような症状が出るかといいますと

・エンジン回転は上がるけど、スピードが出ない
・いつものスピードが出るまでに時間がかかる
・ギヤを入れて繋いでもまったく動かない

これらの症状に当てはまればクラッチディスクの磨耗が考えられますので早めの修理をおすすめします。

それでは実際に自分が修理したフォークリフトのクラッチをご紹介いたします。

エンジンフードを開けて、足元のボードを外し、
クラッチの入っているハウジングのカバーを外します。

インプットシャフトのスナップリングを外しインプットシャフトを
ミッション内部（写真で見て左側）にスライドさせます。
フォークリフトのクラッチディスクの交換は自動車と違い
ミッションを取り外さずに修理が出来るようにするために
インプットシャフトがミッション内部に入れられる構造になっています。

次にレリーズフォーク、レリーズベアリング、クラッチカバーの順に取り外します。
最後にクラッチディスクを取り外します。

ここで取り外したクラッチディスクと新品を見比べてみましょう。

上の写真が新品のディスク、真ん中の写真が取り外したディスクになります。
並べてみると磨耗して薄くなっているのが分かりますね。

クラッチの部品をすべて取り外したらフライホイールに傷がないかを確認して内部を綺麗に清掃し、
レリーズフォークやレリーズベアリングの動く部分にグリスアップします。
取り外した時と逆の順番でクラッチディスク、クラッチカバー、レリーズベアリングを取り付けます。

最後にカバーを取り付けて試運転をし、問題が無ければ修理完了です。

マニュアル車のクラッチは走行するために大変重要な部品です。
フォークリフトは自動車と違い半クラッチを多く使うため自動車と比べると
どうしても交換サイクルが早く、今は使えるからと使い続けていると
急に走行ができなくなり業務に支障が出てしまいます。

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